本研究の第一の目的は、Grossman and Helpman(1991, ch3)のVariety Modelに環境汚染と企業の環境R&D活動を導入し、企業の排出削減技術の開発が経済成長と環境に与える影響を分析することにある。Grossman and Helpman(1991, ch.3)のモデルを活用することにより、企業による排出削減技術の研究開発行動(環境R&D活動)を議論することが可能となる。さらに、これが経済成長と環境に与える影響を分析することが可能となる。第二の目的は、国際貿易を導入することによって、日本と東アジアのグローバル化の進展が環境R&D活動を通じて各国の経済成長と環境にどのような影響を与えるのかを分析することである。第三の目的は、各国政府が最適な企業の排出基準(排出率の水準)をどのように規制するのかを検討することにより、国際環境合意の成立条件を考察することである。