川端康成と村上春樹の描いた「超時空の主題」―『掌の小説』「不死」と『街とその不確かな壁』を比較して―

doi:10.6183/NTUJP.202312_(46).0001

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Title:	川端康成と村上春樹の描いた「超時空の主題」―『掌の小説』「不死」と『街とその不確かな壁』を比較して―
Other Titles:	比較川端康成與村上春樹寫的「跨時空題材」以《掌之小説》「不死」和《城市與其不確定的牆》為例
Authors:	曾秋桂
Keywords:	川端康成;村上春樹;超時空の主題;「不死」;『街とその不確かな壁』
Date:	2023-12
Issue Date:	2024-03-08 12:07:12 (UTC+8)
Publisher:	台湾大學日本語文學系
Abstract:	川端康成が1968年にノーベル文学賞を受賞した。当時に授賞理由を「日本人の心の精髄を優れた感受性で表現する、その物語の巧みさ」とされたそうである。一方、村上春樹のノーベル文学賞受賞がよく話題に上っている。そこで、川端康成が受賞した理由を村上春樹文学に当てて、両者の文学を比較することを問題意識とした。「超時空の主題」と分類された川端康成の『掌の小説』「不死」と村上春樹の『街とその不確かな壁』を取り扱うことにした。それは死生・霊感と大きく関わっているからである。そこで死後の世界で恋人同士は年がかけ離れてから再会を果たしたこと、生から死へと地続きしている形の2点が共通点として挙げられる。一方、「死者の世界」と「生者の世界」を行き来する空間的な移動パターンが、『街とその不確かな壁』にあり、村上春樹が得意とした所が見られる。このように、「超時空の主題」を取り扱った川端康成と村上春樹が各自の本領を発揮し、各自の描出が日本人の心を揺さぶり、両者ならではの「醍醐味」を醸し出していると窺われる。それこそ、川端康成と村上春樹が日本文学史に刻まれているに値する真価だと認められよう。
Relation:	台大日本語文研究 46,　p.1-22
DOI:	10.6183/NTUJP.202312_(46).0001
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