グローバル時代のエコフェミニズムの視点から読む多和田葉子『地球にちりばめられて』―国境無き新しい夢を育むことへの示唆―

doi:10.6183/NTUJP.202006_(39).0002

機構典藏 > College of Foreign Languages and Literature > Graduate Institute & Department of Japanese > Journal Article > Item 987654321/119075

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Title:	グローバル時代のエコフェミニズムの視点から読む多和田葉子『地球にちりばめられて』―国境無き新しい夢を育むことへの示唆―
Authors:	曾秋桂
Keywords:	グローバル時代;エコフェミニズム;『地球にちりばめられて』;国境の無き;新しい夢を育む
Date:	2020-06
Issue Date:	2020-09-17 12:11:53 (UTC+8)
Abstract:	『献灯使』が2018年度日本国際交流基金賞、同年11月にアメリカの全米図書賞を受賞してから、作家多和田菓子は世界からますます注目されるようになった。『献灯使』の後に発表された『地球にちりばめられて』に描いた多国籍多言語、グローバル時代の世界観、地球温暖化の環境課題からは、グローバル時代を描く意国が読み取れる。そこで、本論文では、グローバル時代において作品に描いた「難民問題」、「言語問題」、「高度技術．文明を持つ日本国の消滅」、「環境保護」の事象に注目し、グローバル時代のエコフェミニズムの視点から、『地球にちりばめられて』の読解を試み、その諸事象に潜んだ真意を探ってみることにした。考察した結果、人間の貪欲によって生み出された利害関係、国家間の利益交換、自然界の秩序を乱した地球環境の深刻さなどの、抑圧を生産する支配関係を問い直されるべきである。その一方で、『地球にちりばめられて』では、一つの惑星で暮らす地球人の概念と、生類平等の考え方のような国境無き新しい夢を育むことの可能性も示唆されている。特に、グローバル時代において、国境が無きこと同然となり、強国による暴力的弱小国支配、人間による暴力的自然支配を乗り越えようとする新しい夢を育む上で、『地球にちりばめられて』が持つ意味は非常に大きい。
Relation:	台大日本語文研究 39, P.27-48
DOI:	10.6183/NTUJP.202006_(39).0002
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